果鋭(黒川博行)★★★☆☆ 6/21読了

堀内信也、40歳。元々は大阪府警の刑事だが、恐喝が監察にばれて依願退職。不動産業界に拾われるも、暴力団と揉めて腹と尻を刺され、生死の境をさまよった。左下肢の障害が残り、歩行に杖が欠かせなくなる。シノギはなくなり、女にも逃げられる…。救ったのは府警時代の相棒、伊達誠一。伊達は脅迫を受けたパチンコホールのオーナーを助けるため、堀内に協力を求めてきた。パチンコ業界―。そこには暴力団、警察も入り乱れ、私腹を肥やそうとする輩がうごめいていた。堀内は己の再生も賭け、伊達とともに危険に身をさらしながら切り込んでいく。ワルでタフなふたりがクズどもを蹴散らす痛快悪漢小説!

前作の『繚乱』よりは面白かったかな。比較的間を空けずに読んだので、読みやすかったのかもしれない。物語の構造は恐ろしいまでに前作と同じ。中身が競売の話からパチンコの話に変わっただけ。でも、堀内と伊達のやり取りが読ませるし、非日常を味わえるんだよな。疫病神シリーズの二宮と桑原もいいけど、こっちの堀内と伊達もなかなかいいね。

果鋭
果鋭黒川 博行

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