猿の見る夢(桐野夏生)★★★☆☆ 1/20読了

これまでで一番愛おしい男を描いた――桐野夏生
自分はかなりのクラスに属する人間だ。
大手一流銀行の出身、出向先では常務の席も見えてきた。実家には二百坪のお屋敷があり、十年来の愛人もいる。
そんな俺の人生の歪(ひず)みは、社長のセクハラ問題と、あの女の出現から始まった――。
還暦、定年、老後――終わらない男”の姿を、現代社会を活写し続ける著者が衝撃的に描き切る!
週刊現代読者の圧倒的支持を得た人気連載が、ついに書籍化!

大手一流銀行からファッション業界に出向になったアラ還の男「薄井」。愛人もいて、うまいことやっているようだが、女にだらしなく、金にがめつく、地位に恋恋としているダメ男だ。妻とも愛人とも上手く行かなくなってきた時にある不思議な女「長峰」が現れる。
主人公の薄井のクズ加減には読んでいて呆れてくるのだが、ストーリー展開が上手くて、続きが気になる。長峰の得体の知れないところもいい。あまり内容らしい内容のない話なのだが、夢中になってグイグイ読んでしまった。

猿の見る夢
猿の見る夢桐野 夏生

講談社 2016-08-09
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