片桐大三郎とXYZの悲劇(倉知淳)★★★☆☆ 3/3読了

聴覚を失ったことをきっかけに引退した時代劇の大スター、片桐大三郎。古希を過ぎても聴力以外は元気極まりない大三郎は、その知名度を利用して、探偵趣味に邁進する。あとに続くのは彼の「耳」を務める野々瀬乃枝。今日も文句を言いつつ、スターじいさんのあとを追う!

タイトルからも分かる通り、エラリー・クイーンバーナビー・ロス名義で発表したドルリー・レーンを探偵役とする「悲劇」4部作へのオマージュである。
本作は中編が4作入っていて、それぞれX, Y, Z, レーン最後の事件に対応している。原典を読んでいなくても面白いが、原典を読んでいるとより楽しめる。
主人公片桐大三郎の出自や人となりの説明がくどいのが難点だが、最後に収録されている「片桐大三郎最後の季節」のどんでん返しには見事にやられました。

片桐大三郎とXYZの悲劇
片桐大三郎とXYZの悲劇倉知 淳

文藝春秋 2015-09-24
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