トップリーグファイナル 東芝 vs パナソニック 秩父宮ラグビー場 テレビ観戦

ラグビートップリーグは24日、東京・秩父宮ラグビー場で決勝が行われ、パナソニック東芝を27―26で破り、3連覇を果たした。
 三洋電機時代を含めると4度目の優勝。31日の日本選手権で学生王者の帝京大と対戦する。東芝は6年ぶりの優勝を逃した。
 前半を17―14で折り返したパナソニックは後半、SOパーカーのPGとCTBピーターセンのトライなどで加点。試合終了間際にトライを許して1点差に迫られたが、辛うじて逃げ切った。
 3位決定戦では、昨季準優勝のヤマハ発動機神戸製鋼を26―22で下した。順位決定トーナメントのMVPには、パナソニックのパーカーが選ばれた。

6点差の最終盤。東芝パナソニックのボールキープ作戦にあい、なかなかボールを奪えない。ただ、一度はチャンスが来るはずと思っていた。しかし、そのチャンスが来た時には既にブザーが鳴っていた。東芝マイボールでのグラウンド中央付近でのスクラム。ラストワンプレーである。東芝は左に展開して大きくゲイン。ステインが走り切るかに見えたが、捕まってラック。今度は右に展開してボールはカフィへ。ここでなんとカフィがキック。しかも誰も走り込んでいない。万事休すに思えたが、なぜかボールが不規則に弾んで豊島の胸に入ってトライ。長いことラグビー見てるけど、こんなプレーはめったにない。キックだけは絶対にないと思っていたのに、そこでキックを選択するとは、まさに「理外の理」という感じだった。
トライは決まったが、まだ1点負けている。コンバージョンが入れば勝ち、入らなければ負け。ここまで蹴ってきた小川は既に退いている。ステインに全ては託されたが・・・。入れば、こんな劇的な幕切れはないというドラマになるところだったが、ボールは無情にも左に逸れた。この瞬間パナソニックの優勝と3連覇が決まった。
ゲーム全体を通してみると、パナソニックの方がやはり力が少し上だった。東芝パナソニックの児玉のトライが取り消しになった後に、キックで陣地を挽回しておけばよいものを、モールでの反則を犯してしまい、結局そこから攻められて堀江にトライを取られた。これは完全に余計な失点だった。
また、ピーターセンのトライの時もステインが不用意なショートパントを蹴って、取った田中に切り返されて、そこからのトライだった。
余計なことをして失点した東芝と、そこを得点に結びつけたパナソニックの差が出た試合だった。
後は個人的には東芝の森田にもっと頑張って欲しかった。スタンドオフというポジションは本来司令塔であり、もっとも目立つポジションである。なのに森田は全く目立たない。効果的なキックを蹴るわけでもなく、ただただパスを回していたような印象だ。実際、後半廣瀬がスタンドオフに入った時の方がリズムがよくなったし、クラスカのトライも生まれた。
パナソニックスタンドオフのパーカーもどちらかと言うと地味なんだが、彼には抜群のキック力がある。百発百中のプレースキックは本当に素晴らしかった。
東芝スタンドオフ、そしてプレースキッカーでもパナソニックに負けていた。
ただ、それでも1点差まで追い詰めたんだから、来季はもっと戦力アップして、パナソニックを倒して欲しいね。
これで、日本選手権はパナソニック対帝京になった。パナソニックには大人の実力を存分に見せつけてほしいね。