王とサーカス(米澤穂信)★★★☆☆ 10/21読了

さよなら妖精』の出来事から10年の時を経て、太刀洗万智は異邦でふたたび、自らの人生をも左右するような大事件に遭遇する。2001年に実際に起きた王宮事件を取り込んで描いた壮大なフィクションにして、米澤ミステリの記念碑的傑作!

ミステリーなんだと思って読んでいたのだが、なかなかそれらしい事件が起こらない。起こってからも、謎解き自体にそれほど比重がおかれているように感じられない。ただ、それでも、「物語」として面白かった。ジャーナリズムとは何かという硬派なテーマも裏にはあった。主人公を始めとして人物描写が巧みだし、実際に起きたネパールの王宮事件なんて全然知らなかったので、その辺も興味深かった。

王とサーカス
王とサーカス米澤 穂信

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