横浜美術館 奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている

タイトル「君や 僕に ちょっと似ている」は、ビートルズの「Nowhereman」の歌詞に登場するフレーズです。作家からのメッセージに記されているように、それは作家と作品の関係、さらに観客と作品の関係性を示しています。様々なレベルにおいて絶え間ない変化を続ける世の中で、人々の共感を呼び、長く残り、語り継がれるもの。それは「君」や「僕」に「ちょっと似ている」、普遍性を持つ存在であることでしょう。これまで作家の分身として送り出されてきた作品は、より自立した存在として私たちと向かい合い、永続性のある共感関係を結んでくれるに違いありません。
本展は、作家にとって初の挑戦となる大型のブロンズ彫刻をはじめ、絵画やドローイングなどの新作により構成されます。2001年に開催した国内初の大規模な個展以来、横浜美術館では11年ぶりの個展開催となり、その後、青森、熊本へ巡回します。

たまたま開催するのを知って家族で出掛けた。横浜美術館はずいぶん前に青年団の「東京ノート」を観て以来かも。入るといきなり白い巨大なオブジェに出迎えられる。チケットを買ってエスカレーターで2階へ(ちなみに小学生は無料)。
最初はいきなり大型のブロンズ彫刻の展示。大きいのから小さいのまで色々ある。次は誰かの家を模したような展示で、細かいオブジェや絵が色々飾られており、奈良美智セレクションの音楽がかかっている。その先は大・小様々な絵が展示されているのだが、段ボールに描いてあったり、箪笥の引き出しの裏に描いてあったり、封筒の裏に描いてあったりして、なかなか面白い。小さめのサラッと描いたような絵も良かったが、大きくて色彩豊かなものはさすがという感じだった。
結構冷房が効いているので、じっと見ていると寒くなってくる。これから行く人は注意した方がいいかもしれない。奈良美智展の隣では「横浜美術館コレクション展」も開催されていて、「同時期に開催する企画展「奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている」に合わせ、奈良がメインテーマとしている人物表現に着目し、今期のコレクション展全体を「人の形を見る」というテーマで構成」されている。こちらにも奈良美智の作品は何点か展示されている。奈良美智の作品以外もかなり充実していて、とても見応えがあった。最初はオマケ程度に考えていたのだが、大間違いだった。
最後にミュージアム・ショップでお土産を購入。娘はキーホルダー、妻はぬいぐるみ、私は絵が欲しかったのだが、結局は数字の付いたグラスを購入。協議の結果、娘が1,私が2,妻が3となった。
今回の展覧会を、妻はあまり期待していなかったようだし、娘はなんのことやらも分かっていなかったと思うが、それぞれ結構楽しんでいたようだったので良かった。