緻密な論理で構築された密室という名の神聖なる魔空間。ミステリのトリックでも最も人工的であるが故に幻想性さえ帯びているこのジャンルに、手練れ8人が挑む。眩暈を誘う巧緻な仕掛けを施した8つの密室の扉をどれから開けるもお望み次第。さらに各作家が密室へのオマージュを綴ったエッセイと千街晶之氏による特別解説を擁し、密室をめぐる全ての謎に答えた究極のアンソロジー。
有栖川有栖、恩田陸、北森鴻、倉知淳、西澤保彦、貫井徳郎、法月綸太郎、山口雅也というなかなか魅力的なメンツだったので図書館で借りてみた。
「これは!」という傑作はなかったけど、みんな作風が出ていてなかなか面白かった。個人的には恩田陸の「ある映画の記憶」と法月綸太郎の「使用中」が良かったね。