三千枚の金貨 下(宮本輝)★★★☆☆ 10/11読了

三千枚の金貨 上(宮本輝)10/9読了

どこかに金貨が埋められている。桜の木の下だという。働き盛りの男三人と彼らより一回り年下の女性が手を結んだ。その金貨が語る膨大な物語とは。

冒頭で主人公が死期間近の老人から病院の談話室で打ち明けられる。和歌山県のある桜の木の下に金貨三千枚を埋めた。見つけたらあんたにあげるよ、と。
主人公たちがこの場所を見つけることが出来るのか、そしてそこには本当に金貨が埋められているのか、ということが当然読者の興味となってくる。
だけど、別にこの小説はインディージョーンズのような冒険物ではない。働き盛りの男性を主人公にしたサラリーマン小説と言ったほうが近い。主人公の旅の話、死期間近の老人の過去の話、ゴルフの話、蕎麦の話と色々なエピソードが詰め込まれていて読んでいて飽きない。
この手の小説はとかく説教くさくなって鼻白むことも多いのだが、ぎりぎりそこまで行かないので、最後まで楽しく読めた。ラストは大体予想通りだったかな。

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