太陽を曳く馬〈下〉(高村薫)★★★☆☆ 10/20読了

死刑囚と死者の沈黙が生者たちを駆り立てる。僧侶たちに仏の声は聞こえたか。彰之に生命の声は聞こえたか。そして、合田雄一郎は立ちすくむ。―人はなぜ問い、なぜ信じるのか。福澤一族百年の物語、終幕へ。

下巻は読むのがしんどかった。。。事件は全く先に進まず、オウム真理教と伝統的な仏教との比較の話など、大半が宗教の話に終始する。興味深くはあったが、何を言っているのかはほとんど解らなかった。
ただ、最後の福澤彰之が獄中の息子秋道に宛てた手紙の箇所は、『晴子情歌』冒頭の晴子から彰之への手紙に呼応しており、感慨深いものはあった。
それにしても難解だった。高村薫そして合田雄一郎はこれからどこへ向かうのだろうか。

太陽を曳く馬〈下〉
太陽を曳く馬〈下〉
新潮社 2009-07
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おすすめ平均 star
starまたも立ちすくみました。
star高村薫の三部作の感動的な完結編

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