武士道シックスティーン(誉田哲也)★★★★☆ 1/8読了

「ようするにチャンバラダンスなんだよ、お前の剣道は」剣道エリート、剛の香織。「兵法がどうたらこうたら。時代錯誤もいいとこだっつーの」日舞から転身、柔の早苗。相反するふたりが出会った―。さあ、始めよう。わたしたちの戦いを。わたしたちの時代を。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、正面打ち一本。

評判がいいのは知っていたし、気にもなっていた。だけど、妻が図書館で借りてこなかったら読んでなかっただろうな。読んでよかったよ。面白くって夢中になって読んじゃったよ。
主人公は剣道をやっている女子高生二人。片や剣道は勝つか負けるか、殺るか殺られるかだと信じ、昼休みには「五輪書」を読みながら鉄アレイを振るう香織。片や勝つか負けるかには興味がなく、日本舞踊から剣道に転身した早苗。この両極端のような二人の話が交互に綴られてゆく。
線路のように並行線を辿るというより、逆八の字のように離れて行くかに見えた線が最後に交わるさまは、ベタといっちゃあベタだが、なかなか感動的だ。「剣道」という、通り一遍は知ってるけどよくは知らないという題材が、読み手の興味をほどよく繋いでくれる。
続編の『武士道セブンティーン』も読んでみたいね。

武士道シックスティーン
武士道シックスティーン誉田 哲也

文藝春秋 2007-07
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おすすめ平均 star
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star一服の清涼剤のような

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