空飛ぶタイヤ(池井戸潤)★★★★☆ 8/16読了

トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも・・・。自動車会社、銀行、警察、週刊誌記者、被害者の家族など、事故に関わった人それぞれの思惑と苦悩。そして「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともに事故の真相に迫る。オヤジの戦いに思わず胸が熱くなる! 直木賞候補となり、選考委員の高い評価を得た、イッキ読みの圧倒的エンターテインメント巨編!

新聞広告で見て、面白そうだなと図書館にリクエストした。受け取ってみてちょっとビビった。分厚くてしかも2段組なのだ。これはちょっと読むのしんどいかな〜と思ったが、そんな思いは杞憂だった。
一応フィクションだが、題材は誰もが知っている事件だし、自動車会社や銀行も容易に特定できる。表面的な事件の裏にこれだけの人が関わっていて、これだけの人の人生が交錯しているとは思いもよらなかった。
長いんだけど、とにかく読ませる。途中何度も胸が熱くなって涙がこぼれそうになった。会社での肩書きやプライドやメンツや世間体などを全て捨て去った上で、「人間として譲れない一線」というものをこの本は教えてくれる。
私が読んだのはオリジナル版の単行本だが、今はJノベル・コレクション版というのが出ているようだ。

空飛ぶタイヤ(Jノベル・コレクション) (Jノベル・コレクション)
空飛ぶタイヤ(Jノベル・コレクション) (Jノベル・コレクション)池井戸 潤

実業之日本社 2008-08-01
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