第二十五回「志らく百席」(横浜にぎわい座)

しつこく「日の出ラーメン」へ。味噌ラーメン(750円)と餃子(200円)を注文。スープはコクがあってなかなか美味しい。麺は太くて黄色い味噌ラーメン向けの麺だった。これで、剛つけ麺、魚介醤油、とんこつ醤油、鶏塩、味噌と一通り食べたことになる。どれもそこそこ美味しくて甲乙付けがたい。ものすごくうまいわけではないんだけど、なんだか癖になる魔力を持ってるんだよな。夏場はしばらく行かないと思うけど、涼しくなってきたら、また剛つけ麺から順繰りに回しちゃうかもしれないな。


立川らく次:鮫講釈>

飛び跳ねるようにして出てきたらく次。志らく百席にリストアップされていない噺から、ということで「鮫講釈」。
船旅の途中で船が止まり、船頭は誰かが鮫の生け贄にならないと先に進めないという。貧乏くじを引いたのが二龍斎貞川という講釈師。死ぬのは構わないが、最後に一席語りたいという。どれにしようかと一席に絞れない貞川は色々な話をまぜこぜにした五目講釈を語り始める。
この中身が無茶苦茶の五目講釈をほぼ噛まずに一気呵成に言い立てたから、お客さんからは拍手喝采だった。よどみなく言い立てられるのは素晴らしいんだけど、ただ言い立てるんじゃなくて、もうちょっと噺を自分のものにしてから語れるとなおいいね。


立川志らく:お七>
予想通りマクラは芝居の話。森口博子の誕生日をサプライズで祝ってあげたら森口博子が号泣しちゃって、それを見ていたら自分ももらい泣きしちゃったって話やら舞台での失敗談をひとしきり話していた。
「お七」は縁起の悪いことばかり言い連ねる噺なので、聴いていてあまり楽しいものではない。ただ、後半の「八百屋お七」の謡いは良かったね。らく次が鮫講釈やっちゃったからあんまり受けないよと嘆いていたけど。


立川志らく:鉄拐>
中国を舞台にした荒唐無稽な噺。さまざまなギャグがちりばめられていて楽しかったなあ。「悲しい酒」のメロディで「どんぐりころころ」を歌ったのも受けていた。2番で今度は歌詞を「サザエさん」にしていたしw。
鉄拐の腹の中で喧嘩していたのだが李白陶淵明だったというのが従来のサゲらしいが、それでは分かりにくいので、吐きだしても喧嘩していて馬乗りになっていたというふうに少し変えていた。


仲入り


立川志らく:付き馬>
いかにも古典落語らしい落語で聴いていて楽しかった。普通、朝ってのは清々しいんだけど、吉原の朝はどんよりしてるんだよなとか、人形焼き屋のおじさんは愛情があるから、人形焼き1つ1つの顔を区別できるんだとか、シンバルを叩く猿はなぜ可愛いのかなど、独自の工夫と思われる箇所が面白かったね。


先日本屋で『この落語家を聴け! いま、観ておきたい噺家51人』(広瀬和生)という本を見つけてパラッと立ち読みして即座に購入した。落語を聴き始めて日の浅い私は、この本の著者の広瀬さんが、にぎわい座でよく見かけるあの赤毛で長髪の人だったとは思いもよらなかった。あの風貌は落語というよりもヘヴィメタだよなと思っていたのだが、実際広瀬さんは音楽雑誌「BURRN!」の編集長だったのだ。風貌で落語を聴くわけじゃないけど、あの風貌で落語好きというのはちょっと意表を突かれるよな。
この日、広瀬さんは最前列の左の方に座っており(私も広瀬さんのそばに座っていた)、何人かの人にサインを求められていた。そうか〜、あの人がそうだったのか。席が隣になったこともあったなあ。その時は隣はおばさんだと思ってたんだよなあw。小さなメモ帳にネタをメモってたなあ。ときおり舟も漕いでたなあ。「この人は一体?」って思ってたんだよなあ。謎が解けました。

この落語家を聴け! いま、観ておきたい噺家51人
この落語家を聴け! いま、観ておきたい噺家51人広瀬 和生

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