ぐるりのこと ★★★★☆ 109シネマズMM横浜

「お、動いた!」小さく膨らんだお腹に手を当て、翔子は夫のカナオとともに、子を身籠った幸せを噛みしめていた。しかし、そんなどこにでもいる二人を突如として襲う悲劇・・初めての子どもの死をきっかけに、翔子は精神の均衡を少しずつ崩していく。うつになっていく翔子と、彼女を全身で受け止めようとするカナオ。困難に直面しながら、一つずつ一緒に乗り越えていく二人・・。


前作『ハッシュ!』でカンヌ国際映画祭ほか、数々の映画賞受賞と50カ国を越える世界公開で話題となった橋口亮輔監督の、6年ぶりとなるオリジナル脚本による長編劇映画。1990年代初頭から21世紀へと、日本社会が大きく変質した10年。実際に起きたさまざまな社会的事件を背景に盛り込みながら、ひと組の夫婦の時の流れを、丁寧に、心にしみいるように紡ぎだしている。妻・翔子役に、これが初の映画主演作となる木村多江。ひょうひょうと生きる法廷画家の夫・カナオに、本格的な映画主演に挑むリリー・フランキー。この夫婦を通して、人と人のつながりから生まれる“ささやかだけど大きな幸せと希望”が見事に描かれる。


監督:橋口亮輔
原作:橋口亮輔
音楽:Akeboshi
脚本:橋口亮輔
出演:木村多江リリー・フランキー倍賞美津子寺島進安藤玉恵八嶋智人寺田農柄本明木村祐一、斎藤洋介、温水洋一峯村リエ山中崇加瀬亮光石研田辺誠一横山めぐみ片岡礼子新井浩文

いい映画だったね。1993年からの約10年にわたる夫婦の物語に当時の社会的事件が背景として盛り込まれている。私が結婚したのも1993年だったので、色々なことを思い出した。10年以上夫婦をやっていれば色々あるよな。
木村多江リリー・フランキーのやりとりがとても良かった。泣きの場面を笑いに転じ、笑いに転じたことによってさらに泣けるという絶妙の脚本を見事に演じていた。
ちょこちょこと舞台俳優たちが出演しているのを見つけるのも楽しかった。グリングの中野英樹は結構目立ってたね。萩原利映も看護婦役で出ていた。そんな中でも、裁判シーンの容疑者役で出ていた加瀬亮新井浩文は抜群の存在感だった。
Akeboshiの音楽も映画にマッチしていてすごく良かった。