こっちへお入り(平安寿子)★★★☆☆ 5/6読了

落語好きにも、そうでないあなたにも。
笑いあり、涙ありの素人体当たり落語寄席、開演!
この私が、やれるのか。
人を笑わせられるのか?
吉田江利、三十三歳。独身OL。落語に挑戦しちゃいます。
知れば知るほど、落語が描く人間の物語は深く、怖く、温かい。わたしたちを取り巻く状況は常に厳(きび)しいものですが、落語頭があれば乗り切れると、わたしは信じているのです。

主人公の吉田江利が落語教室に参加して、落語にハマっていく様子が描かれている。もちろん落語の筋と江利の実生活の様々な問題をリンクさせて。
三浦しをんの『仏果を得ず』とよく似ている。あちらは文楽でこちらは落語だ。どちらも文楽と落語のことをうまいこと紹介しているが、小説としては『仏果を得ず』の方が面白かったな。本作は何だかちょっと物語が拡散しちゃってるというか一本筋が通ってないのが残念。ただ、女性が主人公ということもあり、女性向けの落語入門書としてはとても良くできていると思う。先に読んだ妻が落語のDVD観たくなったって言ってたもんな。

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