目黒考二が帯にこう書いている。
立川談春のエッセイというか自伝というか青春記というか、あのページが早く単行本にならないだろうか。あらゆる雑誌の中でいまいちばん面白い
ずいぶん大袈裟だなと思うでしょ。ところがこれが大袈裟じゃないんだな。開口一番の「本当は競艇選手になりたかった」に続く一節を読んだだけで一気に引き込まれた。落語が上手いのは知っていたが、ここまで文才があるとは思わなかった。
17歳で高校を中退して談志に弟子入りしてからの修行時代が実に色鮮やかに描かれている。先日の「談志特番」を見ていたのでネタが割れちゃってる話もあったが、あれを見ておいたおかげで随分と情景が頭に浮かぶ箇所もあった(談志が料理するところや、二ツ目昇進試験のところなど)。
落語ファンなら200%楽しめるし、そうでない人も必ずや楽しめると思う。笑えて、泣けて、いい話もタップリ。この本は今年の出版界の収穫と言ってもいいだろう。
赤めだか | |
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