将棋界の一番長い日

第66期名人戦毎日新聞社朝日新聞社主催)A級順位戦の最終9回戦の5局が3日、東京・将棋会館で一斉に行われ、羽生善治王将(37)が谷川浩司九段(45)を降し、8勝1敗の成績で森内俊之名人(37)への挑戦権を獲得した。羽生の名人挑戦は3期ぶり。5連覇を目指す森内との七番勝負第1局は4月8、9日、東京都文京区の椿山荘で行われる。

 一方、久保利明八段(32)と三浦弘行八段(34)の対局は千日手指し直しとなり、佐藤康光棋聖(38)は3勝目をあげた。このため、8回戦で降級決定の行方尚史八段(34)に続き、久保のB級1組への降級が決まった。A級に連続5期在籍した久保は初の降級。

佐藤―木村戦は迫力あったね。順位戦の夜戦の模様が見られるなんてこのときくらいだからこれは貴重だ。体を小刻みに揺らしながら、泣きそうな顔をして読みふけっていた佐藤の顔が、勝ちが見えてくるにしたがって段々穏やかになっていくのが印象的だった。でも、感想戦での先崎の指摘では佐藤玉に詰みがあったそうだから、佐藤はついていた。
一方の久保―三浦戦は千日手指し直しで、結果は三浦の勝ち。未明まで頑張った両者だが、既に久保の降級は決まっており、三浦の挑戦の目もなくなっていたのは何とも皮肉だ。
最終的には、羽生が挑戦で久保と行方が降級となった。降級した人と挑戦できなかった人には失礼だが、妥当な線に落ち着いたという感じだ。これが、木村が挑戦で、谷川と佐藤が降級だったら大事件だったろうな。