少し前の朝日の書評欄で『トロイメライ』という作品の紹介を読み、興味を持って調べてみると、これが3作目で1作目、2作目ともに評価が高いので、3冊まとめて買ってしまった。
最初の話「エンリケ小林のエルドラド」で新人賞に入賞して、これが単行本デビューということだが、その完成度には恐れ入る。「エルドラドNRa」という単車にまつわるいかにもありそうな嘘っぱち話なんだが、これが読ませる。その後も虚実ないまぜのフィクションが続き、最後にそこまでの登場人物が勢揃いして、長編として収斂する。
長編としての構想力を評価する人もいるようだが、私は別に収斂しなくても良かったんじゃないかと思う。それだけ1つ1つの話が魅力的なのだ。
白と黒のコントラストを活かした画風で、松本大洋にも通じるところがあると思う。私はマンガに関してはほとんど門外漢なので知らなかったのだが、こんな漫画家いたんだね。驚きました。
ラスト.ワルツ―Secret story tour | |
島田 虎之介 おすすめ平均 「物語る」ということ 何かを成し遂げることはなくても、すべての人生に価値はあることを語る作品 人生なんてしょせん夢みたいなモノさ 天才マンガ家の誕生か?? 新しいストーリーテラーの誕生 Amazonで詳しく見る by G-Tools |