2007ラグビーワールドカップ日本代表壮行試合 日本代表vsアジア・バーバリアンズ 秩父宮ラグビー場

もともとは行くつもりではなかったのだが、この日から妻が子供を連れて実家に泊まりに行くことにしたので、急遽行くことにした。前売り自由席が1,500円で、バックスタンドが全て自由席になるというのも行く気になった理由の一つだ。
国立でナイター・ラグビーを観たことはあるが、秩父宮では初めてである。まあ、かなりのオールドファン以外はみんなそうだろう。34年振りらしいからね。
1時間前くらいに行ったのだが、既にバックスタンドのいい席は結構取られている。それでもまあまあの席を押さえて、ファーストキッチンで買ったハンバーガーを食べながら缶ビールを飲む。ナイターも悪くない。バックスタンド中央前方にはファンクラブの人なのか、レプリカジャージを着た人たちが大勢いた。その中の中心人物らしき人がしきりに声を張り上げていて、その声がアメリカザリガニの変な声の方に似ていたのでなんだかおかしかった(本人だったらもっと面白いけど)。
注目はやはり大畑だな。アキレス腱断裂から復活して、この試合ではキャプテンも務めている。その大畑が試合開始直後にやってくれた。SO小野のキックパスをキャッチし、一人いたディフェンスを難なくかわして先制トライである。見た感じでは結構普通に走れてたね。でも良かったのはここまでかな。後は不満点だらけだな。その後もキックパスを何度か試みていたが、本番では相当用心して使わないと、インターセプトされてそのままカウンタートライなんてことも十分考えられる。
また、小野澤がラインアウトに参加してトライを取ったシーンがあった。面白いオプションだとは思うが、ワールドカップでは通用しないだろう(したとしても一回だけだな)。それからこれは誰もが感じたことだと思うが、ノッコンがあまりにも多かった。本当に辛い合宿を経てきた日本代表のプレーなのかと目を覆いたくなった。有賀がカウンターに行こうとして後ろから走り込んできたところにパスをした選手。パスが強すぎて有賀が思い切り前に弾いてしまった。ディフェンスがすぐそばにいたわけでもないのに、なぜもっと優しいパスを出せないんだろう。後半ロスタイム、右サイドをロアマヌが突破して完全に相手ディフェンスを崩して佐々木にパス。これを佐々木がノッコン。これはいいパスだっただけに佐々木のノッコンがひどすぎる。普通に取っていればトライにつながったシーンだった。
小野のプレースキックの精度が低いのも気になる。入れて当然と思われるキックを2,3本外していた。逆にバーバリアンズの廣瀬のキックはさすがだったね。モールで押したのも意図がよく分からない。バーバリアンズ相手なら押せるけど、オーストラリア相手に押せるわけがない。ならばもっと違うプレーを試すべきだろう。私の席のそばにいた人は矢富がピーからゴーで独走したプレーを、本番で通用するわけがないと批判していたが、私はあのプレーは別にいいと思う。あれが矢富の持ち味だし、通用しないと思うけどやってみる価値はある。少しでもゲインできればラッキーだし。ただ、サポートなしにつかまってボールをとられてしまったら最悪だけどね。
正直バーバリアンズ相手に何をもたもたしているんだろうという印象だった。このメンバーがオーストラリア戦のメンバーになるそうだが、オーストラリアに勝つイメージは1%も浮かばなかった。
まあ、良かったと思う点も挙げておこう。ラインアウトの早いセットはなかなか良かった。あれだけ早くセットして投げ入れればマイボールをキープ出来る確率が高まるだろう。それから有賀の走りはなかなか切れていた。それと後半26分の浅野のトライにつながるプレーとなった小野のショートパントは才能の片鱗を見せてくれた。
バーバリアンズは元木が良かったね。前半36分の谷口へのアシストパスは、相手を二人引きつけての絶妙のタイミングだった。廣瀬はそこそこ良かったけど、村田はパスが高かったね。後半に出てきた松田にも期待していたのだが、パントをキャッチしてもカウンターに行かず(松田勝負!の声がいっぱい掛かっていたのに)、タッチキックもミスキックになったりして観衆に大笑いされていた。
過密日程を考慮して2チーム編成にするのは悪くない考え方だと思う。前回のワールドカップの選手起用に首をかしげ続けた私は特にそう思う。但し、やはり勝てそうな試合により精力を傾けて欲しい。全ての試合に勝ちに行ったら1勝も出来ないだろう。それからこれは今さら言っても仕方ないのだが、いかにもスタンドオフが弱い。なんで安藤と小野しかいないんだろう。さんざんトップリーグをやってきて、結局残ったのがこの二人というのが悲しい(小野はトップリーグではないから要は安藤一人)。きっと本番ではスタンドオフの差をまざまざと見せつけられることになるだろう。


日本代表 69 - 10 アジア・バーバリアンズ