笑の大学 ★★★★★

Amazonで売っていないので、パルコ劇場のオンラインショップで購入した。
改めて思ったけど、この作品は掛け値なしの傑作だ。三谷幸喜の喜劇に対する思いがぎっしり詰まっている。話の細かいところは忘れていたが、『ラスト・ラフ』はかなりオリジナルに忠実だったんだということが分かった。ただ、やはり電話を使用するところはオリジナルにはなかった。電話のシーンは英語版のいいところだが、やっぱり『ラスト・ラフ』を観たことによって、オリジナルの素晴らしさが際立ってきた。
役所広司稲垣吾郎の映画版は観ていないが、西村雅彦と近藤芳正を超える配役はありえないだろう。近藤ももちろん良かったが、やはり西村だな。あのふてぶてしさ。せっぱ詰まったような発声と甲高い声。余人には変えがたいものがある。物語の密度もオリジナルの方が断然高い(『ラスト・ラフ』には実は第3の人物が出てくる。その分密度は薄まっている)。西村が警官役をやるシーンは何度観ても笑えるし、赤紙の出た座付き作家に対して、生きて帰ってこいと言うシーンは何度観ても切ない。
やはり私は三谷作品の中では『笑の大学』が一番好きだ。