どか〜ん!武春劇場 vol.4 〜日本浪曲史と気さくな黒船〜

浪曲」の誕生から隆盛、そして現在から未来への移り変わりを現代の浪曲国本武春が明治、大正、昭和、平成とそれぞれの時代にさかのぼりながら5日間連続で演じ語る「日本浪曲史」。たった5日で浪曲の全てが分かるという画期的な試みであります。
 そして黒船来航から丁度150年後、海を渡ってアメリカに上陸した三味線が「ジャパニーズバンジョー」と名を変え、気さくな連中と共にアメリカから今一番ピュアな音楽「ブルーグラス」を演奏しにやってきます。 世界で唯一の三味線ブルーグラスバンド「国本武春&ラストフロンティア」のグルーブ感満載のステージも合わせてお楽しみください。

席は前から5列目のど真ん中という信じられないくらいいい席だった。ぴあのプレリザーブもたまにはいいことをしてくれる。だけどこの席は再来週に取っておきたかった。再来週に行く『ラスト・ラフ』は端っこなんだよなあ。残念ながら。
第1部は日替わりで演じている「日本浪曲史」。四日目の今日は「歌謡浪曲の登場」だった。浪曲ド素人の私は「歌謡浪曲」というものを知らなかったが、要するに節をうなるところを歌謡曲さながらに歌ってしまうのだ。このスタイルで「石松道中記」をやってくれた。虎造が得意としていた例の「石松代参」と「三十石船」である。この2曲が収録されている虎造のCDを持っているので、これをやってくれたのは嬉しかった。やっぱり本物の浪曲師が生でやっているのを聴くといいね。
お次は浪曲における掛け声の掛け方。「瞼の母」のさわりを題材にして細かく教えてくれた。「たっぷり」とか「名調子」とか「どうするどうする」などなど。これがとにかく面白かった。
第2部は「国本武春&ラストフロンティア」のステージ。「ブルーグラス」というのはバンジョーマンドリンやギターで演奏される即興音楽のことだそうで、私は初めて聴いた。マイクが中央に一本しかなくて、メインをとる人が入れ替わり立ち替わり中央に出てきては弾きそして引っ込み、ある時はみんなが中央に寄ってきて弾くというスタイルがなんとも温かみがあった(ベースの人は除いて)。国本武春の三味線の早弾きも凄かったけど、他のメンバーの早弾きも負けず劣らず凄かった。それからベースの人はベースオンリーなのかと思ったら、途中でバンジョーの人と交代してバンジョーを弾いていた(これがすごく上手い)。ギターの人は途中でバイオリンを弾いたり、国本武春マンドリンを弾いたりと、みんな複数の楽器をこなせるようだ。お客さんもノリノリで楽しいステージだったね。
ただ、個人的にはもうちょっとたっぷり浪曲そのものを聴きたかったな。このあと地方公演があって、最後は関内ホールでやるのだ。関内ホールでやるって知らなかったよ。知ってたら関内ホールの方が近かったのに。だけど関内ホールだとちょっと広すぎるかなあ。