言わずと知れた2006年の「このミス」国内1位作品である。相当にグロいと「このミス」にも書いてあったため、購入するのは躊躇われ図書館で借りた(順番が回ってくるまでにかなりかかったが)。
確かにグロい描写や残酷な描写も多いが、全部が全部そうだという訳ではない。トマス・ハリスのハンニバル・レクターもののパロディとも言える「卵男(エッグマン)」や江戸川乱歩の『人間椅子』を彷彿とさせる表題作の「独白するユニバーサル横メルカトル」などはなかなかのアイディア作品だ。特に「独白するユニバーサル横メルカトル」がいいね。まずタイトルがいい。これだけで半分成功しているようなものだ。もちろん内容も凝っている。何せ地図の独白で成り立ってるんだもんなあ。
グロさや残酷さが炸裂している「Ωの聖餐」や「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」もいたずらにグロかったり残酷だったりするわけではなく、物語としての「肝」がきちんとある。
「このミス」1位に値するかどうかはともかくとして、この短編集のレベルがかなり高いのは間違いない(生理的にだめだと思う人もいるとは思うけど・・)。
独白するユニバーサル横メルカトル
posted with 簡単リンクくん at 2007. 2.23
平山 夢明著
光文社 (2006.8)
通常24時間以内に発送します。
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