飛ぶ教室

みなさんは『飛ぶ教室』のことはご存じだろうか? と言っても、エーリッヒ・ケストナーの『飛ぶ教室』ではなくて、光村図書から出ている児童文学雑誌の『飛ぶ教室』のことである。

飛ぶ教室第8号(2007年冬号)
特集 柴田元幸の「飛ぶ教室」的文学講座
定価:1,000円(税込)
B5変型判 216頁

大人の本の作家と子どもの本の作家が交流する。
バトルする。新しい書き手が参加する。挑戦する。
児童文学の冒険、ふたたび。

私はこの最新号の広告を新聞で見るまで、このような季刊誌が出ているのを全く知らなかった。この号では柴田元幸がゲスト・エディターとして招聘されていて、なかなか面白そうだったので試しに買ってみた。特集の内容はこんな感じ。

当代一の翻訳家にして本読み、大学で英米文学を講じる柴田元幸先生が、選りすぐりの初訳短篇、詩、マンガを訳し下ろします。いつにも増してグローバルな「飛ぶ教室」をどうぞお楽しみください。
特集 柴田元幸の「飛ぶ教室」的文学講座
【対 談】
バリー・ユアグロー × 柴田元幸
【短 篇】
レベッカ・ブラウンスティーヴン・ミルハウザー/アルトゥーロ・ヴィヴァンテほか
【 詩 】
ダニイル・ハルムス
【マンガ】
ウィンザー・マッケイ/フランク・キング
【コラム 私の一冊】
青山南乃南アサ保坂和志いしいしんじ野中柊ほか

いま読んでいる最中だが、ダニイル・ハルムスという作家の作品は不思議かつほのぼのとした感じが良かった。バリー・ユアグローの書き下ろしもいつもながらの不可思議さが魅力だ。また、マンガがなかなかの意欲作で面白い(カラーだしね)。全体的なレイアウトというか雰囲気が『暮らしの手帖』に似てるんだよな。児童文学版「暮らしの手帖」と言ってもいいのかもしれない。
この文芸誌がターゲットをどこに置いているのかがイマイチ分からないのだが、大人が読んでも十分に楽しめることは間違いない。柴田元幸ファンなら今号は買って損はないでしょう。

飛ぶ教室 8(2007冬)―児童文学の冒険 (8)
飛ぶ教室 8(2007冬)―児童文学の冒険 (8)
光村図書出版 2007-01
売り上げランキング : 45745


Amazonで詳しく見る
by G-Tools