ムーヴィン・アウト 東京厚生年金会館

というわけで、ブロードウェイミュージカル「ムーヴィン・アウト」の昼公演を観てきた。ミュージカルを観るのは初めてである。場所は東京厚生年金会館。席は2階席の最前列(なぜか最前列が「2列」となっている)。気になるのはオフィシャルサイトのこの文章「本公演はWキャストとなります。各公演の配役は当日発表となります。」私は今回ダンスよりも歌重視なので、「ピアノマン」ことピアノ/リードボーカルを誰がやるのかが気になった。そしてラッキーなことに昼公演がブロードウェイ版「ムーヴィン・アウト」のピアノ/リードボーカルを務めたダレン・ホールデンだったのだ。一回しか観ないのならやはり「表キャスト」の方がいいよな(もう一人のピアノマンであるマシュー・フリードマンには申し訳ないけど)。
13時開演予定だったが、実際に始まったのは13時10分頃だった。オーケストラピットがないので、どこで演奏するのかと思ったら、舞台の上の方にバンド用のスペースがあったのだ。中央にピアノマンがいて、向かって右手がホーンセクション、左手にドラムス、シンセサイザーという配置だった。そして嬉しいことに、このバンドスペースが2階席の最前列だと真っ正面に当たるのだ。
皮切りは『ロックンロールが最高さ』、そしてすぐに『イタリアン・レストランで』になる。『イタリアン・レストランで』の歌詞に出て来るプロムパーティのキングとクイーンのカップル、ブレンダとエディ、それにジェイムズ、ジュディ、トニーを加えた5人がメインキャストとなっている。

第1幕では『ロンゲスト・タイム』から『アップタウン・ガール』へつながるシーケンスが一番盛り上がったかな。個人的にはアルバム『コールド・スプリング・ハーバー』の『シーズ・ゴット・ア・ウェイ』を使ってくれたのが嬉しかった。

第1幕終了後20分の休憩。プログラムは買おうかどうしようか迷ったが、2千円もするのでやめた(千円なら買ったのに)。1階のトイレはかなり混んでいたが、2階のトイレは空いていた。1階席の人も休憩時は2階のトイレに行ったほうがいいかもしれない。書き忘れたが、日本語対訳歌詞は舞台両サイドにある縦長の電光掲示板に2行ずつ表示される。

第2幕の幕開けは『怒れる若者』のピアノの速弾だ。つかみはオッケーだね。圧巻は中盤での『グッドナイト・サイゴン〜英雄達の鎮魂歌(レクイエム)』。最後はまた『イタリアン・レストランで』に戻る。ダンサーたちの挨拶の後にさらにもう少し演奏があるのだが、ここは詳しく書くのはよそう。お楽しみは劇場で。

いやあ良かったね。普通のミュージカルでは俳優が唄って踊るんだけど、これは俳優のセリフは一切なしでビリー・ジョエルの歌で繋いでいくから個人的には取っつきやすかったかもしれない。7対3くらいの歌重視で観ていたんだけど、もちろんダンスも良かったよ。でもやっぱりダレン・ホールデンの歌が良かった(というか、ビリー・ジョエルの楽曲の良さを再認識した)。ただ、もう一人のピアノマンのマシュー・フリードマンの実力を知らないからな。今度はマシュー・フリードマン版の「ムーヴィン・アウト」も観てみたいね。