知っている人は知ってるし、知らない人は知らないのだ

発端は『ウェブ進化論』の梅田氏のサイトのエントリ。

平野啓一郎さんと京大時代からの友人であるCNETブログの江島健太郎さんが対談への「勢いのある評」をブログに掲載。

「新潮6月号の梅田望夫×平野啓一郎の対談を読んで」

http://blog.japan.cnet.com/kenn/archives/002805.html

そのコメント欄に、平野さん自身が長文のコメントを書き込まれています。二人のやり取りは、最高に面白いです。「新潮」の対談の前編が、思いがけなくこういう形でネット上で発展していくのは楽しいですね。

この平野氏のコメントを江島氏がその次の回のエントリで取り上げ、それに対して更に平野氏がコメントを寄せている。このやり取りがなかなか読み応えがあった。更に・・

なんとDanさんも場外から乱入しました。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50492257.html
Danさんいつも通りいいことをおっしゃっています。

というわけでそちらも読む。Danさんこと小飼弾氏はその筋では超有名人らしいが、私は全然知らなかった。この弾氏のブログ「404 Blog Not Found」が滅法面白い。4月分を読んでいて下記のエントリにぶつかった。

書名からして、「ウェブ進化論」の下のどじょう狙いかと侮っていたら意外に当たりだったので。

確かに、本書にはウェブ進化論や「グーグル-既存のビジネスを破壊する」に比べて遥かに「軽い」。はてブがポータル代わりになっている層にはイマいちアピールしないだろう。本書が好んで取り上げるのは、「真鍋かをりのここだけの話」とか「実録鬼嫁日記」とか、有名だけれども「はてブ受け」しないものが多い。

これは『ブログ進化論』(岡部敬史)という本の書評なのだが、タイトルの「野山獄」って何だ? と思っていると、こちらのエントリを見よ、とある。

前から欲しかったのだけど、歯抜けがいやだったので最近大人買い

いやあ、大人って本当にいいものですね。

それにしても、自分がここまで江戸時代を知らなかったのかと目から鱗が落ちまくり。田沼意次蝦夷地直営まで考えていた事とか、解体新書の「本当の著者」は杉田玄白ではなく前野良沢だったとか、黒船騒動はペリーの時よりプチャーキンの時の方が大きかったとか....

風雲児たち』というマンガに「野山獄」のことが書いてあるということなのだが、よく見ると弾氏のこのエントリには「野山獄」の説明はないな。そこで『ブログ進化論』の著者の岡部敬史氏のブログに行くとやっと説明がある。

この「野山獄」というのは、吉田松陰が収監されていた萩にある小さな獄舎なんです。
んで、松蔭は囚われの身でありながら、同じ囚人たちと「共に学びましょう!」って提案するんですね。
「俺は人に教えることなんかないよ!」と最初は囚人たちも言うんですが、人ってのは、必ず人に教えられる何かを持っている。そんな信念を松蔭という人は持っていたんです。彼が「皆さんは一人残らず私の師匠です」という態度で接していくと、
「芝居のことを知っている」とか「薬草のことなら少し詳しい」と、
囚人たち言い始めて、みんなが生徒であり且つ先生である
獄舎内の学校ができるんです。これが野山獄というわけです。

この話を僕は『風雲児たち』というみなもと太郎さんの漫画で知りました。

この状況こそ理想的なネット社会のあり方だと思ったので、今回紹介させていただいたというわけなんです。

風雲児たち』というマンガのことも私は全然知らなかった。そこでAmazonで調べてみると、これが実に面白そうだ。幕末の風雲児たちを描くのに関が原から話を起こし、ようやく幕末に辿り着いただけで20巻を要しており、現在幕末編が9巻まで出ているようだ。その20巻のセット売りが出ている。お値段13,600円。勤続15年で2万円もらったので、それを突っ込んでみようかな。たまにはbk1で買おうかなと思ってみてみたら「現在お取り扱いができません」となっている。ダメだなあbk1

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