ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29(ジェイ・ルービン編)★★★☆☆ 4/25読了

これが、世界で読まれるニッポンの小説! 日本と西洋、男と女、近代的生活その他のナンセンス、災厄など七つのテーマで選ばれたのは、荷風・芥川・川端・三島、そして星新一中上健次から川上未映子星野智幸・松田青子・佐藤友哉までの二十九の珠玉。村上春樹が収録作品を軸に日本文学を深く論じた、必読の序文七十枚を付す。

「日本の名短篇」と呼ぶには首をかしげたくなるものもあるが、「名短編」というよりは単にジェイ・ルービンのセレクトと考えればいい。古いのから新しいのまで網羅されているし、テーマごとに分類されているのも面白い。今まで手に取ろうと思わなかった作品に出会えるのがアンソロジーのいいところ。河野多惠子の「箱の中」は面白かったし、青来有一の「虫」もなかなか良かった。

ミッシェル・エ・ジョアンナ・エカール サヴィニィ・レ・ボーヌ・プルミエ・クリュ・レ・プイエ 2014

モーリス・エカールの引退にともない相続のために所有する畑の4分の3を手放し,残りの畑で息子のミシェルと妻のジョアンナの名前を冠し新しい世代のワインとしてスタートした。未だにモーリスも手伝って入るのだが,スタイル自体はもっと果実味の濃い方向へ変化しているようだ。ネゴシアンに売り渡した畑に関しては,醸造はモーリスエカールに委託されるようで今後そのワインがどのように販売されるか興味深いところ。2006年は先代のスタイルを柔らかくした雰囲気で、先代と同じように早熟で素晴らしいワインに仕上がっている。最近開きはじめ実にポテンシャルが高い!

湘南ワインセラーにて購入。このワインはセットものに入ってくることが多く、何回か飲んでいる。プルミエというほどのエレガントさはないのだが、普通に美味しい。
パンはヴィロンのもの。たくさん買うと金額もすごいことになるのだが、それだけのことはある。

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企画集団マッチポイント 第2回公演「ヒトハミナ、ヒトナミノ」@駅前劇場

ここは就労継続支援B型事業所「フラットワークハウス」。
支援が必要な人に単純労働を提供することで社会への参加を促している。
ここでの作業は地元農家が生産する黒インゲン豆の胚芽の除去。
一粒一粒、地道に手作業で芽を取っていく。
明日が納品日という切羽詰まった状況のこの日、事業所の職員総出で作業をしていた。
しかしある利用者の外出が小さな疑惑を生む。
そして一人の職員が利用者に対して性的な介護をしているという噂が・・・。

脚本 横山拓也(iaku)
演出 松本祐子(文学座)
出演 加藤虎ノ介緒方賢一、竹内郁子、佐藤銀平尾身美詞、辰巳智秋、税所ひかり

去年から個人的に注目している横山拓也の脚本芝居。なかなかに難しい題材を扱っており、たった1つの正解はありえない。そんな中で各人の思いがぶつかりあう。脚本、演出が素晴らしくて、重い内容でもそう感じさせずに見せてくれる。俳優たちもみな熱演で、とても素晴らしい芝居だった。これだから観劇はやめられないんだよな。リアル阿笠博士に出会えたのも嬉しかった。あの声のまんまなんだな。折り込みで「エダニク」の再演も知り、すかさずチケットを取った。その後にはiakuの公演もあるし、まだまだ横山拓也を追いかけることになりそうだな。

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正音(ランチ)

芝居が13時からなので、11時半からやっているこちらへ。何度か行っているが、このお店は入り口の引き戸に「静かに開け閉めして下さい」と書いてある。戸がやや重いから勢いよく閉めると大きな音がしてしまうのだろう。そーっと開けて、そーっと閉めて中に入ると、私が一番乗りだった。しかも店員もいない。そーっと開け閉めしたので、店員も客の入店に気が付かないという皮肉な事態である。店員Aは厨房の人間と話していたので、「すみません」と声を掛けてからカウンターに座った。飲食店に行ったときに、入店に気づかれないというのは非常に不愉快なんだよな。
注文したのは、前にも食べて美味しかった鴨汁せいろ。これは、つけ汁にきざみ鴨肉、わかめ、揚げ餅、九条ねぎが入っている。きざみ鴨肉が以前よりも細かった気もしたが、相変わらず美味しかった。蕎麦湯もちょうどいいタイミングで出してくれた。
食べ終わって、他のお客さんが全員席にいるのを確認してからトイレに行って、入ろうとしたら、店員Bに「ご使用中です」と言われてしまった。出てくるのを見たら、入っていたのは店員Aだった。客がいる状態で店員がトイレに行くのも驚いたが(生理現象だから仕方がないが、普通は開店前に行っておくよな)、自分の店の店員がトイレに入っているのに「ご使用中です」って言うのにもっと驚いた。今までこういうことはなかったから、たまたまなんでしょう。蕎麦は美味しかったからいいんだけど。

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エセンシア・ルラル・アンセストラル ナチュラル“デダーロ” 2017

標高667mの石灰質の土壌に植わるアイレン100%で造られたスパークワイン
10日間粘土とコンクリートでできたカメでマセレーションし、ステンレスタンクに移し温度コントロールをします。
ボトル詰めが近づくと、温度を下げて醗酵をとめます。その後完全にドライになるまでボトル内で醗酵を終わらせます。
シチリアレモンやシトラスの爽やかな柑橘の香りにタイムの香りが混じり、火打石や潮のニュアンスも感じます。
飲み始めは程よく揮発酸が混じった艶やかな酸が特徴的!
そこから梨のイメージな瑞々しい果実味が感じられ、石灰由来の出汁のようなミネラル感がせりあがって、
泡も微発泡くらいですし、澱が混ざる後半はさらに旨味もUP!
季節も料理も問わずにいつでも飲めるごくごく系です♪

MORISAWAにて購入。アイレンという品種は多分初めて。ちょっと濁り気味のスパークリングで、澱もある。味わいは自然派系で、まずまず美味しかった。

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アバニコ・セレクション テンペスタード・ゴデーリョ 2014

この『ゴデーリョ』は、スペインで最も厳しい自然環境に置かれたワイン産地「バルデオラス」地域のワイン。スペイン西部、海抜300-700mの高地に広がる、夏は酷暑で冬は極寒、地中海性と大陸性、2つの気候のぶつかり合うとにかく気候の不安定なエリアです。こんな過酷な環境で育ったワイン、さぞかし気難しくてクセのある味わい・・かと思いきや、これが実にクリーミーでボリュームたっぷりで柔らか。こんな産地だからこそ、強い生命力で自然の力をしっかりと蓄えたのだろうな、と思えるワインに仕上がりました。

Firadisにて購入。自分の考える、スペインワインってこんなだよなという感じのワインだった。ボリューミーでリッチで蜜の香り。まあ、もちろんスペインワインにも色々あるだろうけど。パンはヒカリエで買ったロブションのもの。さすがに美味しかった。

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玉田企画『かえるバード』

短編集を書こうと思います。この文章を書いている時点ではまだタイトルしかちゃんと決まっておりません。しかし、たくさんの温かい方々に、まだ書き始めてもいない物語の感想をいただきました。とても有難いことです。どの方々の感想もそれぞれ素晴らしく、こんなに素晴らしい感想をいただけるなんて、この作品はきっと最高のものになると確信しました。そして、皆さんの感想に負けないような作品を作ろうと、本来とは逆の手順ではありますが、そういう作り方もアリなのではと、ほぼほぼナシでしょうけど、もしかしたらですが、アリかもしれないと、そう自分に言い聞かせ、そういった感じのスタートをいま切ろうとしております。すばらしいキャストが集まったので、僕が面白く書きさえすれば面白くなります。よろしくお願いいたします。

作・演出:玉田真也

出演
木引優子(青年団)
今野誠二郎
川井檸檬
深澤しほ(ヌトミック)
前原瑞樹(青年団)
町田水城(はえぎわ)
森本華(ロロ)
山科圭太
玉田真也

前々から気になっていた玉田企画をようやく観に行けた。短編集なのかと思っていたらそうではなくて、一応ひとつの大きな話なのだが、それを短いシークエンスでつなげるやり方だった。見ている方がいたたまれない気持ちになるシチュエーションを多く用いているところは城山羊の会と同じなのだが、城山羊の会のような不条理感はない。とにかく会話のテンポがよくて内容もとても面白い。町田水城は、はえぎわ公演ではもっと情けない役をやっていたような記憶があったが、今回のような社長役もいいね。
ラストは役者が出てきて挨拶をしないパターンだったので、これで終わりなのかなあと思っていたら、「これで終わりです」と会場のアナウンスがあった。こういうやり方もありかもしれないが、誰もいない舞台への拍手というのも何となく間が抜けていた。
初めて観たけど、想像以上に面白かった。これは今後も追いかけることになりそうだな。

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